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深淵の脈動
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  • 04/28/15:13

ニート・ひきこもり・無職が登場する小説

NHKにようこそ!  /滝本竜彦/〔著〕 [本]

NHKにようこそ! /滝本竜彦/〔著〕 [本]


薄妃の恋  /仁木英之/著 [本]

薄妃の恋 /仁木英之/著 [本]


胡蝶の失くし物  /仁木英之/著 [本]

胡蝶の失くし物 /仁木英之/著 [本]


上記3冊の小説をこの程読んだ。
3冊とも無職の20代の男性が主人公である。
もちろん、読もうと思った理由は僕がその条件に当てはまっていたからで、そこからの脱却への手がかりがあるかなと思ったからである。
だが、結論的にそんなものはなかったわけだが。

『薄妃の恋 /仁木英之/著 [本]』『胡蝶の失くし物 /仁木英之/著 [本]』『僕僕先生 /仁木英之/著 [本]』の続編でシリーズ化している。
 一巻のレビューはこちら
 一巻を読んでみて、主人公と自己との共通点もあったし、ファンタジーとしてのストーリーも起承転結が見事だったので続編の2冊を手に取ってみた。
 しかし、続編はちょっと期待ハズレだった。なにしろ、僕僕先生は一巻で見事にまとまって完結していると言って良い代物なので、続編は無理やり追加したような感じが出てしまっているとの印象を受ける。さらに問題なのは、これは僕個人の観点なのだが、主人公の王弁が無職の状態から脱却している点だ。しかも、僕僕先生という容姿は美少女の仙人とルンルン気分でファンタジーに満ちた唐の世界を旅するのだから腹立たしい。まるで、人生の理想を見せつけられたような気分だ。と、いうとまるで僕がこの小説を非難しているみたいだけど、別にそういうわけじゃない。嫌いなら読まないんだから。そんなわけで、また続編の4巻目が発売したら読むと思う。

 『NHKにようこそ! /滝本竜彦/〔著〕 [本]』の方は平凡な大学を中退してしまい出口の見えないニート生活を送ることになった若者が主人公となっている。
 僕僕先生シリーズは唐の時代の若者が主人公だが、こちらは現代社会の結構そこらへんにいそうな若者が主人公という設定だ。
 タイトルのNHKとは主人公曰く日本ひきこもり協会の略称で、この世はそう言った組織によって自分のようなダメ人間に仕向ける陰謀が働いていると言っている。ただ、彼も自分が本気でそう考えているというよりも妄想がそう思わせているとの自覚を持っている。
 この小説の良いところは、フィクションのお決まりである人間成長によるハッピーエンドが存在しないところだ。そして、結末はバッドエンドでもない。だから、物語の最後に主人公が社会生活に適応して彼女も出来て幸せになると言うお決まりのパターンではない。主人公は結局、無職で彼女もいないし、たいして意識が改革されて悟りの境地に達したわけでもない。相変わらず無職で自分がどうすべきか分からないのだ。
 基本的にフィクションの中でもファンタジー小説などは、主人公は最初は非力で人格も全然形成されてないのに、経験を積み上げる中で多くの人と触れ合いながら人間としても成長して魔法の力・剣術を上達させ世界を救う。これが前提だ。さらに主人公は隙あらば恋愛もするし、名声に飽き足らず権力まで手中に収める。この誰もが妄想せずにはいられない超成功物語がファンタジーの定番だ。
 ファンタジーでなくても、フィクションというのは多くが人間を成長させるか堕落させるし、現実では起こらないようないろんなイベントが展開される。そういうドラマチックな物語とはちょっと決別したのが『NHKにようこそ! /滝本竜彦/〔著〕 [本]』だ。まぁ、華がないと人を惹き付けないので主人公は少女に出会う。でも少女は主人公を劇的に変化させてしまうような力は備えていないし、恋愛としての進展にも至らない。だからこそ、読者は現実世界に近いストーリーに共感することができる。そりゃ、読んでて主人公たちは法的に問題と考えられる行為にも暴走するけど、その辺はフィクションだから許容範囲だと言えると思う。
 主人公は岬ちゃんと言う主人公をひきこもりから救おうとする少女に出会うんだけど、山崎なる主人公の後輩が主人公をダメ人間へと誘導していく。この主人公を取り巻く2人の重要人物はまるで、人間の中の天使と悪魔の葛藤のようである。
 ちなみに、この小説はマンガ化&アニメ化(DVD化も)もされているけど、僕は両者ともまだ拝見していません。
 NHKにようこそ! 1 /滝本竜彦/原作 大岩ケンヂ/漫画 [本]

 
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