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深淵の脈動
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  • 04/29/05:34

ひきこもり、『僕僕先生』を読む

僕僕先生  /仁木英之/著 [本]

僕僕先生 /仁木英之/著 [本]


 男性版シンデレラコンプレックスな思想を抱いちゃってるニート・ひきこもりの為に誕生した至高の書籍、その名は僕僕先生 /仁木英之/著 [本]
 以前新聞の書評欄で読んでからと言うもの、ずっと気になっていたんですけど、この度ようやく読むことができました。著者の仁木さんは”ひとき”でも”じんき”でもなく、”にき”と読むそうであります(読めなかったのは君だけだ)。
 ストーリーは起承転結でみてみるとナルニア国物語に似ている感じでした。ナルニア国物語と言えば世界三大ファンタジーの一つですが、充実感のない現実→ファンタジーとの何らかの接点を得る→ファンタジックな冒険の世界への旅立ち→また現実に戻ってくる→そして再びファンタジーの世界へと言う一連の流れが似ていますが、こういう発想はファンタジーの世界に憧れる人なら誰でも抱くものなのであえて仁木さんは取り入れたのかもしれません。

 感想を書きますと、こうやってブログで紹介してしまうくらいなわけで、久々に自分の波長と同調する小説に出会えたといった感じです。
 普段、もうどうしようもなく無気力で現実社会と乖離しまくった無為徒食な生活を送っていると、小説にも目もくれない有様なわけで、まれに手に取ってもみても数ページぺらぺらと捲ったら飽きちゃってお蔵入りな状態なわけです。んが、この『僕僕先生』は超久しぶりに僕のクオリア感度を標準レベルにまで引き戻してくれるだけの威力があったわけです。もう、一日で一冊読んじゃったくらいですから。一日で一冊の小説を読み切ってしまうだけのパッションが湧いたのは秋田禎信の『魔術師オーフェン』シリーズを読んだ時依頼じゃないだろうかというくらいです。
 僕のような大怠け者でもすらすらと読めるくらいなので、文体はわりと優しくて『夜は短し歩けよ乙女 /森見登美彦/〔著〕 [本]』と比べると主人公の年齢は一緒くらいですがテンションも穏やかで現実まる投げな辺りがニート・ひきこもりの共感を呼ぶ感じです。
 昔、大学の教授が人が映画・小説・マンガ・アニメなどのフィクションに触れたくなるのはカタルシス(心の浄化)
を求めているからだ。とか言っていましたが、この本を読むと、一気に全部読んでも疲労感も無いし、なんだかカタルシスってこんな感じかなぁと思える一冊でありました。ちょっぴりドロドロが貯まっていた心のフィルターが洗浄できたかな。
 
 【小説の内容とか】
 僕僕先生は仙人なわけですが、時代背景は中国の唐の時代で6代目の玄宗の治世にあたります。この玄宗陛下は晩年、楊貴妃を寵愛してウツツをぬかしたことから国の混乱を招いてしまいましたが、彼自身も仙人になったと言われている人なわけで、この時代くらいまでが丁度道教の桃源郷や仙人思想が儒教に負けじと活気付いていた頃のようです。
 主人公は22歳になる王弁ですが、彼はコツコツと勤労に勤しむことに人生の生き甲斐を見出せないし、一応元官僚で財を蓄えた父にパラサイトしていた方がよっぽど良い人生が送れると判断して毎日をボケーッと過ごしているいわゆるニートであったわけです。そんな彼が男が抱くシンデレラ・コンプレックスの理想である僕僕仙人に出会い、仙骨は無いけど仙縁があることから弟子になってしまい、王弁のアドベンチャーが始まります。
 とまぁ、羨まし過ぎる王弁に嫉妬オンパレードで読み進めていくことになります。
何に一番嫉妬するかって!そりゃ、超美少女の容姿をした僕僕先生と親密な仲に発展していく様にですよ。もうっ当然、僕僕先生の容姿を想像せずにはいられませんっ!
きっと、新垣結衣と山下リオと綾瀬はるかと夢子と鈴木咲とalanが合体したような容姿に違いないわけです(それは君の勝手な見解だけどね)。普通にファンシーな冒険に出かけられるだけでも嫉妬ものなのに美少女の僕僕先生と仲良く旅ができて、その上仙人の領域に近づけるなんってトリプル嫉妬です(爆)。
 まぁ、フィクションの世界の登場人物にまで嫉妬してる自分はなんだよっ!って念も生じてくるわけですが。大抵の人はほのぼのと温かい眼差しで二人の行く末を見守れるんでしょうけど。なにせ僕はそこまで精神が成長していない。それでもこんなに没入できてしまうなんって不思議だ。これはどこかで、自分自身を王弁と重ね合わせ、旅している気分になっているからか(謎)。

 そうそう、この本、この一冊で完結だと思っていたら続きがあるんですね。うまく一冊で纏められていたので続編があるとは思いませんでした。これはもう読むっきゃないです。王弁は果たして仙人になれるのか?僕僕との関係はどうなるのか?仙界と人間界は今後どうなっちゃうのか?知りたくって堪りません。えぇ、もしも映画化されたら是非僕を王弁役に配置して下さいってなくらいに。

 薄妃の恋  /仁木英之/著 [本]

薄妃の恋 /仁木英之/著 [本]


 胡蝶の失くし物  /仁木英之/著 [本]

胡蝶の失くし物 /仁木英之/著 [本]



ナルニア国物語解読 C.S.ルイスが創造した世界  /安藤聡/著 [本]

ナルニア国物語解読 C.S.ルイスが創造した世界 /安藤聡/著 [本]
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