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  • 05/03/16:12

ひきこもりはHQが足りない

脳教育2.0 子どもに最も必要な能力HQ   [本]

脳教育2.0 子どもに最も必要な能力HQ [本]


 なるほど、ヒキコモリの僕にはHQが足りなかったのか。
 図書館で『脳教育2.0 子どもに最も必要な能力HQ [本]』を借りてきてちょっと気になったヶ所を斜め読みしてみた。
著者は人間性脳科学研究所所長の澤口俊之(さわぐちとしゆき)氏。本書の価格は1680円。
 相変わらず、書店には生き方書の類(自己啓発書・ビジネス書・思想書など)が溢れ返っているけど、余白だらけで児童文学みたいにどでかい文字で書かれた濃度の薄い本が目に付く感じだ。そんな容量の少ない本が多い中、『脳教育2.0 子どもに最も必要な能力HQ [本]』は論文の如くビッシリと専門的な言葉を交えながらも誰にでも受容しやすい文体で書かれている。
 本書の一番の良さは著者の思考が科学とか心理学と言ったカテゴリのどちらか一方に傾いているのではなく、総合的ホリスティック的思考によって書かれている点だ。 
 概(おおむね)ね精神科医や心療内科医によって書かれた書籍というのは精神疾患が脳に異常があることを認めながらもMRIやCT等のデータに関してはそれほど重視していないことが多いように感じる。その点、本書は心理学的観点だけでなく科学的観点もくみしながら考察されている。
 
 気になるタイトルのHQとはhumanity quotientの略で”人間性知能”を意味するそうだ。そのHQを司るのが大脳の前頭前野(額のすぐ奥にある脳みそ)にあるとのこと。よって、社会への適応能力を欠く人たちはHQ(人間性知能)になんらかの問題があるのだそうだ。本書では様々なHQ障害症候群の形態を取り上げ、著者がHQ障害症候群だと考える人のMRI画像のデータから脳科学的に分析していくと言う手法がとられている。もっぱらHQ障害症候群の人は前頭前野が萎縮していたり、働きが著しく弱いのだとか。
 
 澤口氏によると、精神障害者もADHDもLDもASPD(反社会性人格障害)もサイコパス(psychopath 《精神病質者》psychohaは精神でpathは病質者)もニートまでもがHQ障害症候群に該当するのだそうだ。
 
 さて、僕自身は何を隠そうヒキコモリである。ニートとヒキコモリの定義は明確ではないようだけど、どちらにしろ社会生活を送るに当って何らかの問題を抱えていて社会に適応できていない無職の成人ってことには変わりはない。
 ニートはNEET(not in employment, education or training)のことで、インプロイメントはワーク(仕事)と同じ意味。だから教育も訓練も仕事も成すことが出来ない人ってことかな。
 このニートと言われる人たちまでもが前頭前野に問題があるそうで、HQ障害症候群に該当しちゃうのだそうだ。ならば、僕もこの理論に従えばHQ生涯症候群なのかもしれない。僕はもう何年も慢性的な不眠症で、常々無気力で全てを放り投げてももっと放り投げて何にもしたくない感じが頭の中を漂っていたりする。そんな生活はダメだと思っているから就活したり、ちょっと何かの資格の勉強とかしてみるのだけど、そういうことをやろうとした途端に頭痛・吐き気などの様々な体調不良に襲われリタイアしてしまう有様だ。そんな繰り返しで無為徒食な日々を送っている。
 これは僕自身も前頭前野に異常があるのだろうか?(もし、萎縮してるとか言われたらそのままアルツハイマーになって消滅してしまいそうだ。)
 
 ところで、著者の澤口氏はHQ障害症候群ではないので、HQ障害症候群の精神の内面的状態は把握しにくいのではないかと思う。そこで、仮に僕がHQ障害症候群だとして、僕の外面に生じる症状以外の内面的症状を述べるなら以下のような状態にある。それは、不眠がもたらしたものなのか社会学的・環境学的・心理学的なものが作用して起こったものなのかは定かではないが、クオリア(質感)・感受性・インスピレーション・感覚・感情と言われるような情動系メータが標準を著しく下回っているように感じることだ。こう、お笑い番組とか見ても笑えるどころか虚しさを感じるし、心地よいはずの音楽を聞いてもその実感が湧かない。そんな感じで心地よいとか爽快という状態が精神から乖離したためか不眠症から抜けだせずにいる具合だ。

 人が本を手に取って主体的に読もうと思う時は、その本の中に何らかの答えを捜し求めている時だ。僕の場合は不眠症だから、不眠と密接な”脳 ”がタイトルに付く書籍には目が行ってしまう。
 だが、本書には僕が求めるようなスッキリとした答えは見つけることができなかった。尤も僕は気になったヶ所をさらっと斜め読みしたに過ぎないので見落としているだけなのかもしれないが。
 ともあれ、個人的には澤口氏の科学的な目線で統計を取りながら理論的に語る文体が好きだし、HQ障害症候群がどうしたら治せるのかについても続編で論述して頂きたいと思う。
 
 
 
 
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